2011年2月11日 (金)

Hands-On Politics は新たに生まれ変わって再出発します。

Hands-On Politicsは、この度、発展的に解消し、可能であれば3月末...

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2011年2月 9日 (水)

いま優先すべきは「一票の格差の是正」

 (WEBRONZA 2月8日掲載:http://webronza.asahi.com/

 民主的な選挙システムにおいて、一票の重さ(議員1人当たりの人口・有権者比)に違いがあることが必ずしも問題の本質ではない。代議制に基づく政治の仕組みにおいて、国民が等しく参政権を持ちながらも、どのような形で民意を公正に国民が納得した形で政治に反映するかが重要であって、その政治の仕組みを決めるのも国民自身である。

 アメリカを例にとれば、各州定員2名の上院議員は、憲法で保証された連邦制における各州平等原則に基づく州の代表である。人口の規模でいえば、カリフォルニア州(人口約3700万人)とワイオミング州(約54万人)の間には、「一票の格差」で言えば約68倍の違いがある。そこには大きな州も小さな州も同じ力を持つべきという建国の歴史があり、下院とは違って、この「一票の格差」が問題になることはない。

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2011年1月22日 (土)

米中はとりあえず関係修復を優先

(WEBRONZA 1月22日掲載:http://webronza.asahi.com/

 中国の胡錦濤国家主席が米国を公式訪問した。今回の訪米の目的は、昨年激化した米中の非難合戦に終止符を打ち、楊外相が言うように「米中関係は正しい方向に進んでいる」ことを演出することにあった。2012年秋、米国は大統領選、中国は「ポスト胡」体制発足に向けた政権移行期を迎える。それまでの間、両国間の外交上の障害を可能な限り取り除き、内政課題に集中したい事情も背景にはある。米側は胡主席を国賓として、バイデン副大統領が空港に出迎えるなど異例とも言える厚遇でもてなし、共同声明にもあるように「協力的な関係」を強調したが、どうやらワシントンの空気を支配している「立場の違い」の方が際立ってしまったようだ。

 しかし、もともと両国は、今回の訪米で「新たな成果」を期待していた訳ではなく、シナリオ通り、全体として「関係の修復」を優先するという一定の成果は得られたと言えよう。もちろん、お互いの不信感や根本的な対立構造は消えておらず、今後とも不協和音が太平洋の両端から聞こえてくることは間違いない。それでも、かつてない依存関係にある両国にとって、「米中は協力関係にある」と言える枠内に引き戻す軌道修正はお互いに必要だったのである。

 

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2011年1月 4日 (火)

2011年日本外交に残された道

21世紀最初の10年があっという間に過ぎていった。本来であれば、日本は90年代のバブル崩壊後の「失われた10年」を取り戻すべく、2000年代初頭は、新たな経済成長期を迎えるはずだった。しかし、気がついてみれば、日本経済回復のシナリオは大きく外れ、財政も当初は2011年にプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字に転換する予定だったが、赤字幅は削減どころか、さらに拡大した。もはや「経済大国」という言葉は死語になり、2010年は日本経済が世界第2位から40年振りに転落した歴史的な転換点となった。20年後の日本は中国の4分の1程度になるという。

この流れから読み取れるのは、バブル崩壊後の10年は単なる「失われた10年」ではなく、日本の長期的停滞の序章であり、小手先の改革ではこの流れを食い止めることはできない時代に入ったと捉えるべきであった。そして今もなお、その流れは一層強くなりつつあり、大津波が沖合の見えるところまで押し寄せてきているのである。手をこまねいて何もしなければ、津波に飲み込まれるしかない。

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2010年12月16日 (木)

ウィキリークス情報漏えいの米外交政策への影響と日本

(WEBRONZA12月16日掲載:http://webronza.asahi.com/

 外交の本質とは、元外務次官の小和田恒氏の言葉を借りれば、「国益をかけた戦いに武力という手段を用いることなく、知識、洞察力、判断力、説得力、その他あらゆる全人格的な能力を結集して国益をかけて戦う真剣勝負」である。つまり外交とは、国家間の国益をかけた戦いそのものであり、「武力」に代わるパワーの源泉が「情報」なのである。その意味において、ウィキリークスによる情報漏えいは、その「情報」の力としての「量と質」が暴露された点において、米国の外交にとっては大きな打撃である。

 もちろん、国家間の権力争いが存在するかぎり、今後も国益をかけたインテリジェンス活動や、それに対抗するカウンターインテリジェンス(情報を守る防諜)がなくなることはない。ましてや、今回のウィキリークスのように、国家秘密を暴くような活動がこの世から消えることはないし、むしろそうあってはならないのである。

 

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2010年12月 6日 (月)

中間選挙で変わる米国の環境政策

(WEBRONZA12月6日掲載:http://webronza.asahi.com/

オバマ政権の「グリーン・ニューディール(GN)」に代表される環境政策は、中間選挙での大きな争点にはならなかったものの、選挙での大敗が今後の地球温暖化対策等に大きな影響を与えることは必至である。すなわち選挙を通じて、GNに限らずオバマ政権の政策が必ずしも経済成長や雇用の創出に貢献していない、という判断がくだされ、今後は財政の大幅な支出増につながる政策の実行は難しくなったからである。

 中間選挙では、過去の議論経過に拘らない新人議員が多数増え、連邦政府の支出拡大や規制を嫌う「ティーパーティー(茶会)」が勢力を増した。共和党新人議員の半数程度(ある調査によれば、98人中43人)は、地球温暖化問題の存在そのものを懐疑的に見ていると言われ、また温暖化ガス削減の目玉政策である「キャップ・アンド・トレード」に反対している議員が多く当選した。ティーパーティーの支援を受けてフロリダ州上院選に当選したルビオ氏は、「地球温暖化を正当化する科学的根拠があるとは思えない」と明確に述べている。

 

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2010年11月23日 (火)

国益に直結する外交に「迷走」は許されない

(WEBRONZA11月23日掲載:http://webronza.asahi.com/

民主党政権の迷走は、外交面で言えば、ひとえに日米関係という最も重要な外交の座標軸を動かしたことによって招いた結果だと言えよう。まさにそれに尽きる。もちろん座標軸は状況によって変えていくことは当然である。しかし、変化させることによって生じる影響を深く考えず、またその影響を踏まえた新たな総合的な外交戦略を描き実行できる力がなければ、迷走するのは当然の成り行きなのである。

 では民主党の外交政策は未熟で、自民党のそれが優れていたかといえば、必ずしもそうとは言えない。今日の状況は、自民党が長年にわたって戦後外交に胡坐をかいてきたツケも大きい。民主党は、米国依存の戦後外交から決別し、新たな外交戦略を構築しようとした意欲は評価できないわけではない。まっとうな政治家であれば、主権国家としての日本の外交を真剣に考えれば考えるほど、政党やイデオロギーに関係なく、米国に過度に依存した戦後のいびつな外交政策を是正したいという意欲に駆られるのは当然なのである。しかし意欲や理想だけでは、現実の外交には通じないことも事実であり、国益に直結した外交では、ならし運転の1年間などと、安穏として許される状況にはないのである。

 

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2010年7月28日 (水)

Yes, We Still Kan?!

(2010年7月27日、米戦略国際問題研究所日本部ニュースレター)

掲載サイト:http://csis.org/publication/japan-chair-platform-yes-we-still-kan

Prime Minister Naoto Kan did not enjoy a high approval rating long enough to win the upper house election held on July 11, as the ruling coalition lost its overall majority in the 242-seat chamber. With half of the upper house seats up for election, the biggest opposition party, the Liberal Democratic Party (LDP) gained 13 seats and the newly formed Your Party, which had no seats before this election, gained 10 seats. Both parties received many ballots from independent voters who rooted for the Democratic Party of Japan (DPJ) during last year’s general election but were subsequently disappointed with the DPJ’s 10 months in government. Nevertheless, the election was far short of a resuscitation of the LDP. In fact, the LDP did a lot worse in terms of its share of the proportional representation vote, compared to the last upper house election in 2007 when it suffered a crushing defeat. Furthermore, it is premature to say that Your Party will become a third pole in Japanese politics; the party does not have any history, which would suggest votes of expectation rather than endorsement.

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2010年7月12日 (月)

与野党を超え、タブーなき外交・安保論議を

 (7月9日、Infoseek掲載)http://opinion.infoseek.co.jp/article/937

 鳩山政権の対米政策の失敗を経て、民主党と自民党の外交政策における差異は、文言上の違いは若干残るとしても、実体としては殆どなくなったと言ってよい。現実に民主党と自民党のマニフェストを比較しても、第1に記述してあるのは「日米同盟の強化」であり、全体として流れている考え方にも大きな違いはない。

 そのこと自体を積極的に評価する訳ではないが、もともと日本が外交の基本政策で現実的に選択しうる余地は殆どないと言っても過言ではない。相手のある外交政策には政権が交代しても継続性が必要であり、とりあえず落ち着くところに落ち着いたと言えよう。

 しかしながら両政党の外交政策には、日本の成長戦略を組み込み、テロ、貧困や環境問題など包括的な観点から、日本の外交・安全保障を積極的に切り開いていくようなビジョンが感じられない。

 既に国際社会では、その一員としての日本の政治的存在感はほとんどなくなっている。日本の置かれている状況を考えれば、政府として普天間基地問題を解決し、日米関係がとりあえず良好になればいいという状況には全くないのである。

 鳩山政権は、我が国の外交・安全保障の一番の基軸である日米関係でつまずき、外交が立ち行かなくなった。その失敗の原因は、「緊密で対等な日米関係」のとらえ方にあったのではないか。もともと主権国家である日米両国は対等なのであって、お互いに言うべきことを言うというのは当然である。

 しかし日本が「両国は対等なのだから」という発想だけで対米協議に臨むなら、米国としても言い分は色々あり、良好な関係構築に向けた建設的な議論にはなりにくい。今参院選の民主党マニフェストにある「緊密で対等な日米関係を構築するため、日米地位協定の改定を提起します」という表現にも、これまでの姿勢が如実に表れており、米国の民主党政権への懸念は完全に消えている訳ではない。

 国としては「対等」であっても、日米の歴然とした力の差は存在するのであって、残念ながら日米は「平等」ではない。またそこには鳩山氏が抱くような高邁な理想が通じない政治の現実が立ちはだかる。

 

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2010年3月23日 (火)

大統領生命を掛けた医療保険改革に一応の決着

米下院は21日夜、上院で可決し若干の修正を加えた「医療保険改革法案」を賛成219、反対212の賛成多数で可決、今週開催される上院での投票(Reconciliationを呼ばれる調停プロセス)を経て成立する見込みとなった。この医療制度改革は、米国政治100年の課題であり、1965年のメディケア(高齢者向け公的保険)及びメディケイド(低所得者向け公的保険)以来の大きな保険制度改革となる。しかし社会保障の根幹である医療制度の重要な政策決定に野党議員のみならず、民主党議員34名が反対に回った。念願の国民皆保険に近い制度改革という評価はできるものの、多くの人に祝福された新制度の誕生とはならず、国民の間にも亀裂を残すことになった。

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«「核密約」調査は大きな一歩前進だが